(※この素晴らしい知恵は、九州の歯医者さんであるmabo400先生が、
くわしい説明とともに公開してくださっているものです。
今まで出会った虫歯の説明で、もっとも合理的で効果があったので、
このブログでは、わたしが実践して理解した内容を、まとめています。
さらに興味が出た方は、ぜひ以下のページの「虫歯の電気化学説」をごらんください)
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/
みなさんは虫歯になったことはありますか?
きっと一度は歯医者さんに行ったことがあるでしょう。
あの「キュイーーーーン」という歯を削る音が好きな人はいませんよね。
歯が黒くなって溶けていく「虫歯」
虫歯になったら、甘いものを食べると痛みますよね。
この黒い虫歯は、いったいどのように出来るのでしょうか?
小学校の歯科検診では、次のように説明されました。
「虫歯の原因は、虫歯菌(むしばきん)。
甘いものが虫歯菌のエサになって、酸を出して歯を溶かすんですよ。」
これが、みんな知っている虫歯のメカニズムですよね。
でも実はこれ、科学的には再現できないんです。
ミュータンス菌(いわゆる虫歯菌)が出す酸の強さは、PH4程度。
(PHは、ペーハーと読み、酸性度の強さを表します)
ちなみに、砂糖がたくさん入っているコーラのペーハーは、PH3。
(PH4より10倍も強い酸性が、PH3。)
もしも、酸によって歯が溶けていくのであれば、
コーラに歯を浸しておけば、どんどん歯が溶けていくはずです。
しかし、コーラに1ヶ月浸していても、歯は溶けないそうです。
虫歯菌の酸よりも10倍強い、コーラの酸でも溶けない歯。
でも現実には、虫歯になる人はたくさんいます。
それに、確かに甘いものをたくさん食べる人は、虫歯になっています。
なぜ歯が溶けるのでしょうか?
「えー? でも歯医者さんも、虫歯菌が歯を溶かすんだって説明してくれたよ」
と思った人もいるでしょう。
たしかにどこの歯医者さんでも、こうやって虫歯について説明しています。
お母さんに虫歯があると、
赤ちゃんに口移しで食べ物を与えたら虫歯菌がうつるとも言われます。
反対に、歯磨きをしないのに虫歯ができない人がいます。
これって、不思議じゃないですか?
もしも虫歯菌が出す酸で虫歯になるのなら、
歯磨きしない人は、虫歯がたくさん出来ているはずです。
でも、これから説明しますが、虫歯は菌でうつるわけではないのです。
では、なぜ虫歯になるのでしょうか?
虫歯とレモン電池
レモン電池をご存知でしょうか。
レモンに2枚の異なる金属板を刺します(銅、アルミ)。
これだけで電気が発生して、電球がついたり、モーターが動いたりします。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(参考ホームページ↓)
レモン電池の研究|学研サイエンスキッズ - 学研キッズネット
http://kids.gakken.co.jp/kagaku/summer/kit5.html
レモン電池 中澤克行さんのページ
http://www.eonet.ne.jp/~nakacchi/LemonCell.htm
NHK高校講座 | 化学基礎 | 第37回 電池 ~持ち運びできる電池~
http://www.nhk.or.jp/kokokoza/tv/kagakukiso/archive/resume037.html
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ここでは、
・レモン=酸性の液体
・異なる金属板=銅、アルミ
となります。
このとき、電気が流れると同時に、あることが起こります。
片方の金属板(アルミ)が「溶けて」しまうのです。
つまり、こういうことです。
『2枚の金属の間で、電気が流れる → 片方の金属が溶ける』
これは実は、虫歯のメカニズムと同じなんです。
「え? 口の中には2種類の金属なんて無いよ?」
こう思った人もいるでしょう。
でも、思い出してみてください。
歯の主成分はカルシウム。
カルシウムは元素記号 Caの金属です。
(参考ホームページ↓)
実は金属!カルシウム - 知識の宝庫!目がテン!ライブラリー
http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/10/1009.html
さらに、歯は大きく分けて2種類の部分から出来ています。
1、エナメル質(表面)。
2、象牙質(中身)。
エナメル質は、白くてツヤのある歯の表面部分です。
象牙質は、歯の中身。
虫歯になると歯の中がぽっかり穴が空くことがあります。
あれは表面のエナメル質は残っていて、中身の象牙質が溶けてしまったのです。
このエナメル質と象牙質の間では、電流が流れます(=金属と同じ性質があります)。
つまり・・・レモン電池と同じく、電気が通ることで歯は溶けていたわけです。
レモン電池の例えを、歯に当てはめてみる
ここで整理してみましょう。
レモン電池の例えでいくと・・・
まず、「レモン(酸性の液)=食後の口の中」となります。
食事をすると、口の中は酸性になります。
なぜなら食品のほとんどは酸性だからです。
砂糖だけでなく、お米もそうですし、お酒・卵・肉・魚・・・
酸性の食品を口にしない日はないでしょう。
こうやって酸性になった口の中に、2種類の金属があれば、
電気が通って片方が溶けます。
分かりやすいように、レモン電池と比べてみます。
「レモンに、2種類の金属板を刺すと、
電気が発生して、片方の金属板(アルミ)が溶ける」
「食後の口の中に、2種類の金属があるので、
電気が発生して、片方の金属(象牙質)が溶ける」
つまり、
虫歯菌が酸を出して溶けているのではないのです。
電気が発生して、金属(歯)が溶けているのです。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
※ちなみに、どちらの金属が溶けるかは、
金属同士の電位差(イオン化傾向の差)で決まります。
・銅とアルミなら、 「 銅 > アルミ 」 なので、アルミが溶けます。
・象牙質とエナメル質の場合は、 「 エナメル質 > 象牙質 」 なので、象牙質が溶けます。
もう1つ、疑問になることがあります。
「じゃあ、口の中の銀歯も金属でしょう。銀歯と歯だったら、どっちが溶けるの?」
答えは・・・・銀歯に使われている金属によって変わります。
歯よりも電位差がプラスの物質なら、歯の方が溶けます。
たとえば鉄、銅、アルミ、鉛、 フッ素など。
歯よりも電位差がマイナスなら、その金属の方が溶けます。
たとえば亜鉛。
mabo400先生が実験を行い、検証された結果↓
歯と金属間の電位差
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/200910290000/
こちらも参考になります、
東邦精機株式会社さんの錆の仕組み(腐食電池)についてのページ↓
http://www.toho-seiki.com/info05_c.htm
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
ローフードで歯が弱くなる理由
みなさんは「ローフード」と呼ばれる食事法をご存知でしょうか。
ローフードとは、生(なま)の食事、という意味です。
主にフルーツや野菜を、火を通さずにそのまま食べます。
生のまま食べるので、とても消化に良く、お通じの調子も良くなります。
しかし、ローフードをする人の中で問題になっているのが、「歯が痛くなること」です。
ローフード実践者は、
「甘いお菓子を食べなくなったのに、なんで歯が悪くなるのか?」
と疑問に思います。
けれども、これも虫歯ができる理屈を知れば、簡単に解ける問題です。
虫歯の原理をレモン電池を例にして説明しましたが、
いってみれば、フルーツを大量に食べるローフード実践者は、
毎日、口の中をレモン電池にしているのと同じです。
金属(歯)が溶けない方がおかしいのです。
虫歯の黒い部分は一体何?
この「歯が黒くなった部分」=虫歯はどんな成分でできているか、知っていますか。
・虫歯菌がうじゃうじゃいるから黒いのでしょうか?
(だったら、歯ブラシでしっかり掃除すれば取れるはずです)
・虫歯菌の酸で歯が溶けた部分だから黒い?
(そもそも、酸で溶けた物質は黒く変色したりしません。)
では、この黒い物質は何なのでしょうか?
* * *
* * * * * *
* * * * * * * * *
さて、正解です。
虫歯の黒い部分は、錆び(さび)なのです。
錆び?
錆びといえば、鉄などの金属にできるあの赤茶色の物質ですね。
化学的には、硫化鉄(りゅうかてつ。化学記号FeS)と言われているものです。
ずっと屋外に出している自転車は、チェーンが錆びますよね。
車も、塗装がはがれている部分は少しずつ錆びていきます。
なお、虫歯ができて歯が黒くなると、歯医者さんは「削りましょう!」と言います。
しかしこの黒い物質(硫化鉄)は、
それ以上虫歯が進行しないためのバリアーにもなり得るそうです。
参考 「微生物腐食」
http://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/201111300003/
カテゴリ ”体の幸せをふやそう”
→次ページ 「3、世界中の人々を虫歯から守る知識(まとめ)」