ではこれから、仏さまのお話をしていきます。
しかしその前に、まず「仏さま」といわれても、
仏とはどんな意味か、分からないという人も多いかと思います。
「『あの人は死んで仏さまになられた』と言うから、
死んだ人のことを仏さまと言うんでしょ?」
そう思っている人も、おられるでしょう。
でも、死んだらだれでも仏になれるわけではないのです。
仏教の教えを聞いて、その道を歩んだ人が、仏さまになれます。
それでは、「仏になる」とは、どういうことでしょうか?
これを理解するためにも、
仏さまとなられたお釈迦さまについて、見ていきましょう。
(「光雲な毎日」より)
お釈迦さまは、今から2500年前の北インドの国に、
王子さまとして生まれました。
お名前を、ゴータマ・シッダールタと言います。
シッダールタが生まれたのは、シャカ族という小さな国で、
お米のとれる豊かな国であったと言われています。
お釈迦さまのお誕生日は四月八日です。
この日を花祭りとか、灌仏会(かんぶつえ)と言って、どこのお寺でもお祝いします。
お釈迦さまが生まれたのは、ルンビニー園という花園。
その時、空から甘い雨(甘露・かんろと言います)が降りそそいだ、と言い伝えられています。
お釈迦さまの像をその中に置いて、
その像に甘いお茶をかけます。
またお釈迦さまは生まれてすぐに、
七歩も歩いたという伝承があります。
普通の赤ちゃんだったら、一歩も歩けませんよね。
なぜ七歩かというと、
仏教では、迷いの世界のことを六道と言います。
この6種類は、
・地獄道、じごく
・餓鬼道、がき
・畜生道、ちくしょう(動物。)
・修羅道、しゅら(争いの絶えない世界)
・人間、にんげん ← 私たちはココ
・天上、てんじょう
という意味の七歩です。
このように、お釈迦さまが生まれたことを祝うのですが、
もしかしたら、これを聞いて、
「お釈迦さまは、生まれた時点で仏さまだった(悟っていた)んだな」
と思われるかもしれません。
しかし実際は、お釈迦さまも、
生まれたときから仏さまだったわけではないのです。
それを次のページから見ていきましょう。