2015年8月4日火曜日

3、農民・虫・鳥に見た、この世の残酷さ。

  
  
少年シッダールタの鋭い感受性は、 
 
小さなことから、世の残酷さを見抜くことになります。
 
 
 


 
 
 




王子が少年だった頃の話です。
 
ある日、シッダールタの国で農耕祭が行なわれました。
 
農産物の豊作を願うため、催されたお祭りです。
 
 
 
シッダールタの前で、農民が畑を耕していました。
 
 
 
農民がくわで土を掘り起こすと、虫が出てきました。

するとすぐ、小鳥が飛んできて、その虫を捕まえて食べてしまいました。
 
さらに上から、大きなワシがその小鳥を狙って、襲いかかっていったのです。
 
 
 
それを見たシッダールタは、憂鬱な気持ちになりました。
 
 
 
「なぜ、生きものは殺し合わないといけないのだろうか」
 
 
 
殺し合わないといけないという言葉は、
 
現代の私たちにとって、ピンと来ないかもしれませんね。
 
 
 
しかし、毎日食べている物を、思い浮かべてみてください。
 
お米、味噌汁、肉、魚、野菜。
 
日々の食事の中に、たくさんの命があることに気がつくでしょうか。
 
 
 
食材はスーパーで買えます。
 
 
 
けれども自分自身では、牛や豚を殺して解体したりはしません。
 
誰か他の人が、私のために動物を絶命させ、切り分けてくれているわけです。
 
お米や野菜が育つにも、多くの虫が殺虫剤などで死んでいるのです。
 
 
 
事実として、私たちは他の命をとることで、生きています。
 
 
 
虫、鳥、ワシの命の奪い合いを見たシッダールタは、
 
そこに生命の残酷さを発見して、
 
大きな憂いを感じたのでした。
 
 
 
 
そして、またある日、お城の門を出たシッダールタは、
 
見たことがないものを目にすることになります。
 


 

  
 

 
 
カテゴリ ”仏教のはじまり お釈迦さまの誕生~お悟り”
 
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