前回、おはなしさしてもらった、父・正男です。
赤ちゃんが大好きでした。
久保家の家訓は、
「人生、一番だいじなことは、"かわいげ"じゃ。」
うちの父が注意するのは、ウソをついたときでもなく、
勉強しなかったときでもなく、
人として、かわいげのない態度をとったときでした。
もろに不機嫌な態度をとったり、
「なにか欲しいものある?」と聞いてくれてるのに、
「別にほしいものなんて無い」といって、好意をむだにしたり。
そういうときに、
「人生をわたっていくのに、だいじなのは、学力でも才覚でもなく、かわいげなんじゃ」
と、言われたものでした。
父は、わたしが知っている人の中で、いちばん、かわいげのある人でした。