とてもおもしろい本をよみました。
『ぼくはお金を使わずに生きることにした』
マーク・ボイル著
http://www.amazon.co.jp/dp/4314010878『ぼくはお金を使わずに生きることにした』
マーク・ボイル著
表紙には、ジーンズをはいてマグカップ片手に野外でお茶
アイルランド出身のマークさんです。
野生的なアウトドアマンに見えますが、実は頭もすごく良
アイルランドで生まれ育ったマークさんは、
就職のためにイギリスに行きました。
そしてイギリスに6年間住んで、故郷のアイルランドにも
ふるさとの町は大きく変わっていました。
以前であれば、町の通りを通過するのに15分かかること
(知り合いばかりで、みんなが話しかけてくるから。)
それが、今ではみんなお金を稼ぐのに忙しくなり、
通りに向けて開け放たれていたドアは閉ざされ、
話しかけてくる人もいなくなりました。
これはアイルランドに、「ケルトの虎」と言われる
急激な経済成長が起こったためです。
イギリスでオーガニック食品会社の運営にたずさわってい
現代の貨幣経済の問題点に気づいてしまいます。
消費者(人)と消費される物(サービス)の間にある、大
マークさんは言います。
「われわれが皆、自分で食べ物を育てなければならなかっ
その3分の1を捨てるなんてことはしないだろう」
「目抜き通りの店で気に入った服も、
武装兵士に監視され
買う気が失せるだろう」
そして、利子の存在する世界では、助け合いの文化が衰退
競争が激化することにも気づきます。
以前であれば、当たり前に農家同士で協力していた収穫作
今では、お隣の農家の収穫を無料で手伝う人はいなくなっ
新しい商品やサービスを買うためには、お金を得なければ
普通に生活するだけでも、お金が必要になる。
お隣さんを手伝っているヒマはない。
「この新しい競争主義は、孤独感、自殺、心の病、反社会
町が抱える問題の一因となっている」
とマー
いつか必ず無くなる石油に依存しっぱなしの世界にも、疑
いろいろと考えたマークさんは、ある答えにたどりつきま
それは、
『代償なしで与え合う』
ということ。
マークさんは、
「相手の人生をもっと楽しくしてあげられるからというだ
と言い、利子のつく現在のお金はもちろんのこと、利子の
原始的な物々交換すら飛びこえた結
こうして最終的にマークさんは、1年間お金を使わずに暮
これが話題を呼び、イギリスのBBCや各マスメディアに
その生活は読んでいてすごく引
移動手段は、徒歩・自転車・ヒッチハイク。
お湯を沸かすのはオリーブオイルが入っていた缶で作った
住む場所は、タダでもらったトレーラーハウスを、農場と
紙が必要なときには、カンバタケというキノコをつぶして
スポンジで水分を取りながら乾かして作り
お風呂は、黒いビニール袋に水をいれて、太陽の熱で少し
友人に会うためだけに、往復60キロの距離でも自転車を
(彼のすごいところは、このカネなし生活をたった一人で
もしも回りにカネなし生活を同時に始め
もっと助け合えてスムーズ
たくさんの予想しなかったトラブルを経験しながら、マー
お金に支配されない時間を深く味わいます。
感覚がより鋭くなったためか、彼はさらにおもしろい試み
「言葉をもう一度自分の手に取りもどしたい」
といって、彼は一週間、何もしゃべらず無言でいることにしたのです
相手に自分の望む何かをしてほしいから、言葉だけの好意
そんな上っ面のコミュニケーションが嫌になった彼は、
行
一週間の無言の行をやったのです。
そんな彼のまわりには、与え合うコミュニティが自然と出
この本を読んで、とくに気に入った点は、
「相手の人生をもっと楽しくしてあげられるからというだ
代償なしに何かを与えるとき、絆が生まれ、
ゆくゆくはしなやかな強さをもったコミュニ
というマークさんの考えです。
これは、とても納得できるし、すてきなことだと思いまし
さっそく、何か与えたいもんじゃ。
うちに読まなくなった本があります。
『リアル』という車椅子バスケットの本です。
取りにこれるかた、差し上げます。
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(後日、ぶじに『リアル』をもらってくれる方があらわれました。
この本は、名作です。)
『リアル』差し上げます。
読書用ライト、差し上げます。